初めて作ったウォータライン(WL)シリーズのプラモは、小5の誕生日プレゼントとして友人からもらった「戦艦陸奥」でした。WLシリーズとは、艦船の洋上の姿を再現するプラモで、しかも、静岡のプラモメーカー4社の共同企画というこれまでにない画期的なものでした。
それまでは、底がある艦船プラモしか見たことがなかったので、そのまま置くだけで写真と同じ洋上の姿を再現できる、WLシリーズにカルチャーショックを受けました。
当時、WLプラモに上下二つ折りで入っていた連合艦隊艦艇のイラストがあり、これを見て次はどの船が発売されるのだろうとワクワクしたものです。下のイラストは、「スリガオ海峡海戦セット」という西村艦隊を再現するキットに同梱されていた復刻版です。
1992年にフジミ模型がWLから脱退していますので、右下の復刻版では静岡模型教材協同組合に3社しか表示がありません。
これまでの艦船プラモといえば、右と左の部品を合わせるだけで艦橋が出来上がるプラモが一般的だったのに、陸奥の組み立てでは、艦橋を城郭のように積み上げていく作りになっていました。小5にはやや難易度が高かったものの、主砲、副砲、煙突やマストに至るまで、これまでの艦船モデルにはない、精密な部品構成に魅了されてしまいました。
縮尺が1/700に統一されていることも、シリーズものとして集めるのにはちょうど良いサイズでした。それからは、「丸」などの艦船に関する雑誌を読んでは、新たに発売されるWLのプラモを作り続け、気が付けば連合艦隊の艦艇で本棚が一杯になっていました。
高校生の頃だったと思いますが、模型月刊誌「モデルアート」に衣島尚一氏による「WLで楽しむ 連合艦隊出撃せよ!」の連載が始まりました。
太平洋戦争の各海戦に参加した艦艇の編成をWLのモデルで再現するもので、まだ発売されていない艦艇については、既存モデルの改造やフルスクラッチで作成するための解説が掲載されていました。
この頃、未発売だった空母祥鳳や軽巡夕張を既存キットから改造する事例があり、本の記事を参考にキットの素組ではなく初めてプラ板などを使った改造を体験しました。
この連載は、後に「連合艦隊編成講座」となり、WLモデルのリニューアルに合わせて、より実艦に近づけるための改造や竣工時、第1次改装時等ヘの改造も掲載され、社会人になってからも毎月楽しみに購読していました。
コメント