シン・ウルトラマンを観る その2

カラータイマー

 昨年、YouTubeでの予告編を見たときは、カラータイマーの無いシン・ウルトラマンに何となく違和感を感じていました。太陽エネルギーの消耗により、青の点灯から赤の点滅に変わるカラータイマーは、ウルトラマンのピンチを告げるシンボル的存在であり、子供心をハラハラさせる必須のアイテムでした。

 成田亨氏のウルトラマンのデザインにカラータイマーがなかったことは、雑誌などに掲載された当初の着ぐるみの写真などからも分かっていましたが、はたして、カラータイマーのないウルトラマンがどのように戦うのか・・・。

 意外にも映画の中では、それらの違和感は一切感じませんでした。いや、そんな疑問を感じてる余裕などなく、一気にドラマが駆け抜けていった感があります。劇中では、赤から緑に身体のラインの色が変わることで一応エネルギーの消耗を表現していましたが、矢継ぎ早に表れる禍威獣(カイジュウ)と外星人とのやり取りに魅了され、そんなことはどうでもよくなっていました。

 さらに映画を見て気付いたのは、オリジナルにはあったファスナーを隠す背中のヒレがないこと。シン・ウルトラマンの後ろ姿が、より筋肉質になり未知の生物感を醸し出しています。

「シン・ウルトラマン デザインワークス」の「シン・ウルトラマン手記」には、続編でカラータイマー付きのウルトラマンのプロットがあることが示唆されています。

シン・ウルトラマンはCタイプ?

 オリジナルのウルトラマンは、主にマスクの違い等で、A・B・Cの3タイプに分かれるのは、ご存知でしょうか? 

ウルトラマン第1話に登場した「ベムラー」

 第1話のベムラーから第13話のぺスターまでがラテックス製のゴツゴツした感じで、口元にしわのあるAタイプ、第14話のガマクジラから第29話のゴルドンまでがFRP製で口元がやや細めのBタイプ。そして、第30話のウーから最終話のゼットンまでが、現在のウルトラマンと同じCタイプです。DVDで実際にその違いを確認してみました。

 シン・ウルトラマンは、マスクだけを見るとCタイプのように見えます。しかし、最初のシン・ウルトラマン登場シーンでは、Aタイプのような口元のしわを確認できました。後頭部を見るとA・Bタイプと同じように、赤一色ではなく、シルバー部分の塗分けが確認できます。つま先はBタイプ程ではないですが、先がとがっています。

左から Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ

 これらのことを加味すると、シン・ウルトラマンのコンセプトは、3タイプすべてのウルトラマンを包含したものとなっているのかもしれません。

なぜ最初の色はグレーなのか⁈

 先ほども触れましたが、最初のシン・ウルトラマン登場シーンでは、マスクがAタイプのように見えましたが、その後のシーンでは、どう見ても口元の広いCタイプに見えます。
 さらに言えば、最初だけが鮮やかな銀と赤のラインのコスチュームではなく、赤の部分がグレーになっていました。これは、劇中の会話でも明確に述べられています。

 なぜ、最初のラインは、グレーなのか? これを考えたとき、「ピン」ときたことがあります。
 私も庵野氏と同じ1960年生まれです。それまで見ていたウルトラQは白黒放送でしたが、ウルトラマンはカラー放送(当時は、画面に「カラー」という表示が出ました。)になりました。
 しかし、当時のカラーテレビは、まだ全家庭に普及していた訳ではなく、我が家は白黒テレビで最初のウルトラマンの放送を見ていました。ですから、ウルトラマンの身体の赤いラインは、「グレー」に映っていたのです。

白黒テレビで見たウルトラマンのイメージ(左)

 これは根拠のない、全くの私見なのですが、もしかしたら庵野氏も当時、私と同じ体験をされ、それをこの映画で表現されたのではないかと考えました。
 放送当初が白黒テレビで途中からカラーテレビに変わったとすると、最初のシン・ウルトラマンのマスクがAタイプのマスクを彷彿とさせるものだったことも頷けます。

 本放送でウルトラマンのカラータイマーを点滅させたのも、白黒テレビでの視聴を考慮した結果だと何かで見た記憶があります。

 再放送でカラーのウルトラマンを見たとき、改めて鮮やかな銀と赤のラインのコスチュームに魅了され、ますますウルトラマンが好きになりました。

メイキング:シン・ウルトラマンを観る その2

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