シン・ウルトラマンを観る その1

 新型コロナの影響で、約1年間公開を待った「シン・ウルトラマン」を観ることができました。

シン・ウルトラマンと禍威獣

プロローグ・ウルトラQオマージュ

 冒頭のシーンで、ウルトラQのゴメス、マンモスフラワー(ジュラン)、 ぺギラ、ラルゲユウス、カイゲル(ゴーガ)、そして本編につながるパゴスが登場しました。子供の時に見たウルトラQの記憶を紐解きながら、その感想を語ってみたいと思います。

ゴメスを倒せ・マンモスフラワー

 ゴメスは、モスゴジの着ぐるみを東宝から借用して改造した経緯を踏まえてか、今回はシン・ゴジラベースのゴメスとなっているようです。小さな目や歯にその特徴を確認できます。
 ウルトラQでのゴメスの体長は18メートルですが、シン・ウルトラマンでは、かなり巨大になっています。ゴメスは、ウルトラQ第一話「ゴメスを倒せ」に登場した、輝かしいウルトラ怪獣第1号です。学名「ゴメテウス」、一緒に登場したリトラは「リトラリア」。シン・ウルトラマンではリトラは登場しません。

 マンモスフラワーは、確か「ジュラン」と呼ばれていた記憶があります。マンモスフラワーは、ウルトラQ第四話のタイトルだったと思います。ゴメス、ゴロー、ナメゴンと続いた後で、植物怪獣の登場だったのですが、ビルを突き破って成長するその圧倒的な巨大さに対する恐怖が強く記憶に残る怪獣です。シン・ウルトラマンでは、現代の東京にその姿を現します。

ぺギラが来た!・鳥を見た・ゴーガの像

 ぺギラは、ウルトラQ第5話「ペギラが来た!」、第14話「東京氷河期」に登場しました。吹雪で霞む中、南極の氷山の向こうから現れたぺギラは、眼だけが光る独特の不気味さとその巨大さから、有無を言わせぬ威圧感がありました。
 このぺギラを見た夜、得体のしれない巨大な怪獣から逃げ回る夢を見たことを今でも鮮明に思い出します。シン・ウルトラマンでは、「東京氷河期」と同様、東京を氷漬けにします。

 ラルゲユウスは、ウルトラQ第12話「鳥を見た」に登場しました。警察署の留置場で籠に入れられた文鳥のような小さな鳥が徐々に巨大化し、警察署の建物を突き破って大空に飛び立ちます。その巨大化するときの特撮描写に不気味さと恐怖を感じました。
 ちなみに、この時の少年は、ウルトラマンで星野少年を演じた方だったと思います。シン・ウルトラマンでもウルトラQと同様に天守閣を風圧で破壊し、飛び去っていきます。

 カイゲルは、ウルトラQ第24話「ゴーガの像」に登場した貝獣ゴーガのことだと思うのですが、なぜかシン・ウルトラマンでは「カイゲル」になっていたので、調べてみました。
 Wikipediaでは、『「化石の城」の原型となったサンプルストーリー「生きている化石」では怪獣の名前はカイゲルであった』とあります。庵野氏らしいニッチなネタですね。

「ゴーガの像」は、スパイ映画でも見ているようなスピード感とスリルを感じるストーリー展開で、ウルトラQの中でも好きなドラマの一つです。
 それにしても、ウルトラQでは、サル、モグラ、ナメクジ、エイなどいろいろな生物が巨大化して登場しますが、ゴーガもその中の1体です。

虹の卵

 冒頭シーンの最後に登場したパゴスは、ウルトラQ第18話「虹の卵」に登場しました。
 パゴスの着ぐるみは、東宝映画のバラゴンの頭の部分を改造したというのは有名な話ですが、その後、ウルトラマンのネロンガ、マグラ、ガボラとこの着ぐるみが変遷していくので、シン・ウルトラマン本編でネロンガ、ガボラが登場するのも、これらの経緯を踏まえてのことかなと思いました。

 複数の角がイカツい感じのパゴスは、ウルトラQの中でも特に好きな怪獣です。シン・ウルトラマンでは、どうゆう訳かのっぺりした非生物的な顔になり、ハゴスファンとしては少々物足りなさがありました。本編でのちに登場するガボラとの共通性を重視した結果なのでしょうか。

 以上、シン・ウルトラマン冒頭のシーンに登場するウルトラQ由来の「禍威獣」達について、オリジナル設定等を含め、感想を述べさせていただきました。

 メイキング:シン・ウルトラマンを観る その1

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