ガラダマモンスター

 ウルトラQを代表する怪獣ガラモン。第13話と第16話の2回に登場しましたが、第16話は、どちらかと言えばセミ人間(地球人に化けた宇宙人)が主役なので、初めて登場した第13話の方が、強い衝撃を受けました。

怪獣の定義を一変させたデザイン

 ガラモンのデザインは、ゴジラシリーズに登場した恐竜型、或いは巨大化生物型の怪獣とは一線を画す新たなジャンルの怪獣です。頭と体が一体で顔が大きく、手足は骨のような形態をし、さらに歩行も生物というよりは機械的な音とぎくしゃくした動作から、これまで自分の中にあった「怪獣」の定義を一変させる存在でした。

ホラー映画の様な演出

 ガラダマと呼ぶ隕石がダム湖に落下。その衝撃で大波が発生し、その後ダムの水が全て蒸発してしまいます。干上がったダムの底で、落下した隕石から蒸気の様なものが噴出し、ヒビが入ったかと思うとその隕石の中からガラダマモンスターが誕生します。ダムの水が干上がって断崖と化した場所に、先程発生した大波により打ち上げられた遊覧船に女性2人が取り残されており、それを目掛けて巨大なモンスターが向かっていきます。

 この回のウルトラQは、モンスター映画というより、その演出からホラー映画的な要素が強い作品だと思います。遊覧船内に取り残された女性達が、間近に迫ってくるモンスターに悲鳴をあげ震えおののくシーンは、視聴者である自分にも同様の恐怖を感じさせるものでした。

 ガラモンが突進して、堅固なダムをいとも簡単に破壊してしまうシーンは、怪獣らしからぬ奇妙なスタイルのガラモンに破壊神を見るような畏怖の念と無力さを覚えました。

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