メイキング

 このページは、独自に作成した情景セットなどをベースに、フィギュアやプラモデルなどの模型を使用して、「doraほびいblog」が撮影した画像のメイキングを掲載するものです。
 私と造形師さんは、昭和50年(1975年)代前半の高校時代に、このような感じで特撮めいた写真を撮っていましたので、それを令和の現代に再現してみようという試みです。
 当時は、パソコンやデジカメなどはまだ無く、フィルムを使用した撮影でしたので、一発勝負的な感じで撮影し、写真の現像やプリントが出来上がるのにも1週間ぐらいかかりました。
 主に、投稿記事の中に掲載した画像のメイキングをこのページで紹介していこうと思います。

シン・ウルトラマンを観る その1

 投稿「シン・ウルトラマンを観る その1」に掲載した怪獣達の写真は、造形師さんがX-PLUS製のフィギュアを使用し、周りの情景セットを作成して撮影したものです。

 写真のコントラストは変えていますが、フィギュア自体には手を加えていません。海洋堂ほどではないでしょうが、かなりリアルな造形のフィギュアです。

 ぺギラのフィギュアは、モノクロ塗装、セピア塗装バージョンもあります。さらに、パゴスもセピア塗装の腹ばい状態のものもありますが、今回はカラー撮影のため使用しませんでした。

 これまで大切に保管してきたX-PLUSの怪獣達ですが、今回のBLOG開設に伴い、箱を開けました。これからも少しずつコレクションの封印を解いていきますので、どうぞご期待ください。

〇 ゴメスの撮影セット作成(造形師さん談)

 まず、スチロールを削り出して、ベースとなる地形の部分を作成します。その上に木工用ボンドを水で薄めたものを土に混ぜて、ベースの上に塗っていきます。背景の空は、ボール紙等にエアーブラシで描いたものです。

 樹木の部分は、本物の桧葉を一旦乾燥させ、それに着色していきます。生木をそのまま使用すると、柔らかいため、しなってしまってリアリティーが出せません。乾燥させることにより形が整いますが、枯れてきて茶色くなるため、着色すると樹木の雰囲気がでます。

 トンネルの半円部分は、カップヌードルのカップを利用して作成しています。できるだけ身の回りにある物を利用していくことでコストが抑えられ、結果として意外な効果を生むことがあります。

「X-PLUS大怪獣シリーズ」のゴメスと背景となるトンネルのセット

 〇 ぺギラの撮影セット作成(造形師さん談)

 こちらもゴメスと同様に、スチロールでベースとなる部分を作成し、さらに別のスチロールを削り出して南極の氷山に見立てています。

 さらに雪の質感を出すため、シッカロールの材料にも使用されている「タルク」という石を砕いて粉にしたものを全体にまぶしていきます。タルクをまぶすことでスチロールのつなぎ目を消すことができ、自然な感じになります。

「X-PLUS大怪獣シリーズのぺギラとベースとなる南極のセット

〇 ウルトラQの再現

 投稿で掲載した写真をモノクロにしてみました。よりリアルさが増し、ウルトラQの1シーンを見ているような錯覚に陥ります。

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シン・ウルトラマンを観る その2

 投稿「シン・ウルトラマンを観る その2」に掲載した「ベムラー」が湖から出現した写真は、造形師さんが「ゴメス」、「パゴス」で使用した情景セットを流用し、湖のセットを追加で作成して撮影したものです。
 ちなみにウルトラマンAタイプの写真の背景も同様のセットを流用しています。

〇 ベムラーの撮影セット作成(造形師さん談)

 ベムラーが出現する湖のセットは、薄いスチロールの板を黒で塗装し、その上に丸めてしわを付けた緑色のセロファンをのばして乗せ、湖面の波を表現しています。
 今回は湖ということなので、緑色のセロファンを使用しましたが、海を表現する場合は、青のセロファンを使用します。

 ベムラーが出現した湖面の泡は、シェービングクリームをセロファンに塗りつけています。
 シェービングクリームは、泡の状態が一定時間持続するので、船の波などを表現するときも使用しています。  

「X-PLUS大怪獣シリーズ」のベムラーと湖のセット

 ベムラーの下半身は湖の中にあるため、セロファンに穴をあけて下に下半身が入るように空間を設けてあります。

 湖面に出現したベムラーの身体の「ぬめり」は、食器洗い洗剤のJOYを水で薄めた液体をフィギュアの表面に霧吹きで吹きかけています。これによりぬめり感が多少持続し、撮影時間を確保できます。 

ベムラーの下半身を隠す空間を湖のセットの下に用意

〇 ウルトラマン第1話の再現

 こうして「ウルトラ作戦第一号」宇宙怪獣ベムラーの登場シーンが再現できました。今回は湖面のセット作成がポイントになりましたが、動画ではないため簡易な方法で水を表現することができました。

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「夕日に眠る戦艦大和」の衝撃

 投稿「夕日に眠る戦艦大和」の衝撃に掲載した未来の戦艦大和の残骸が夕日に照らされている有名なシーンは、タミヤ製の「1/350 戦艦大和」の旧キットを使用して再現したものです。

〇 戦艦大和中央部の制作

 高校の頃にも宇宙戦艦ヤマトのシーンをもとに、WLシリーズの「1/700 戦艦大和」で赤錆びた戦艦大和のジオラマを作成したことがありましたが、今回は「夕日に眠る戦艦大和」のシーンをできるだけリアルに再現するため、サイズの大きい1/350キットを使用することにしました。
 少々経費がかさみましたが、1/350 戦艦大和のリニューアルキットが既に発売されており、旧キットは作らないのではないかと思ったからです。この旧キットは、最新の戦艦大和に関する考証とは異なる点も多いのですが、赤錆びた残骸となった大和を再現するのであれば十分なキットです。 

1/350戦艦大和 構造物等の組み立て

 先ず最初に戦艦大和の中央部の組み立てを行います。艦橋、煙突、マスト、後部艦橋などの構造物を説明書に従い組んでいきます。
 続いて、副砲をはじめ高角砲、機関砲を所定の場所に配置していくのですが、副砲は砲門の角度をずらしたり、戦闘状態を意識して高角砲等の向きに変化を付けました。主砲は、1番砲塔をディフォルメして作成するため、2番砲塔のみを横を向いた状態で設置しました。
 レーダー部分については、キットでは長方形の板状部品に凸線が入ったものなので、このままではレーダーの隙間に夕空が入らないため、伸ばしランナーを格子状に組み自作しています。

〇 1番砲塔の作成

パイプを1番砲塔に見立てイメージ確認

 次に地中に半分埋まった三連装主砲をアニメのシーンのように表現するため、1番砲塔は水道管に使われるパイプを3本購入し、それをパテの中に埋めて別部品として作成することにしました。ここで使用したパテは、エアコンの管などの隙間を埋めるやや硬めの粘土のようなもので、後で撮影に合わせて角度を微調整できるよう、これを使用しました。中央部の地面にも同じものを使用しています。

〇 中央部を赤錆びた状態に加工

 戦艦大和の中央部の組み立てが完了したら、赤錆びた状態に加工するため液体のプラモ用接着剤を艦橋はじめ構造物に塗りつけ、やや乾いてから接着剤の筆部分の先で突っつき、表面をデコボコにしていきます。ちなみにレーダーは破損した感じにするため、一部をニッパーで切り落としています。
 ある程度デコボコ感、ザラツキが出たら乾くのを待って、焦げ茶色の塗料で全体を塗装します。それが乾いたら、オレンジ系の塗料で艦橋の輪郭などを筆でウェザリングしていきます。
 中央部を乗せる大地の部分は、スチロールを土台にして前述のパテでデコボコを表現しています。

中央構造物等を赤錆びたイメージに加工

〇 背景セットの作成

各セットの配置

 今回の撮影では、セットを第1砲塔部、艦橋を中心とした中央構造物部、背景の山、そして夕日が照らす空とそれぞれパーツ化しています。
 背景となる山は、スチロールを削り基本的な形を整え、その上に木工用ボンドに浸したトイレットペーパーを貼ってスチロールの表面を見えなくしています。塗装は、水性絵の具で行いました。

 このシーンの一番のポイントとなる「夕日」をどう表現するかが、今回の最大の課題でした。今までの背景セットのように単なる絵だけでは、夕日の輝きが表現できないと思ったからです。
 そこで、背景となる夕空の絵と夕日の部分は、「造形師」さんに制作をお願いし、撮影を依頼しました。「造形師」さんは、夕日の部分を円形にくりぬき、裏からLEDライトをあてることで、この問題を解決しました。

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