このページは、昭和の時代に「特撮」と呼ばれた撮影技術を使った日本の怪獣映画やテレビドラマ、SF映画など海外の作品も含めて、存在しない空想の世界をリアルに描き出した映像とドラマの魅力を紹介するものです。
私たちの幼少期は、「怪獣」が現代のポケモンのような存在で、その名前と特長を覚えることが子供のステータスであり、スーパーのレジのおばさんにもらった「怪獣トランプ」を並べて怪獣の名前を覚えたことを想い出します。
リアルタイムで見た方には、懐かしいノスタルジックな作品が多数登場すると思いますが、初めてご覧になる方にも新鮮で独特のインパクトを感じていただけるものと自負しております。
ウルトラQ回想
「怪獣」と言えば、大東亜戦争終結後10年に満たない昭和29年(1954年)、東宝が公開した「ゴジラ」が日本における怪獣の元祖と言えるでしょう。後の「ウルトラシリーズ」の生みの親でもある円谷英二氏が特撮技術を担当したゴジラ映画は、昭和50年(1975年)の「メカゴジラの逆襲」まで15作品が制作されています。
私にとっての怪獣との初めての出会いは、「ゴジラ」ではなく「ウルトラQ」の「ゴメス」と「リトラ」でした。
ウルトラQ は、昭和41年(1966年)1月2日から、TBS系列において毎週日曜の19時から放送された30分番組で、円谷特技プロダクションとTBSが制作したウルトラシリーズ(空想特撮シリーズ)の第1作目となった作品です。
ウルトラシリーズとと言っても「ウルトラマン」のようなヒーローは登場せず、星川航空のパイロットの万城目淳、助手の戸川一平、毎日新報カメラマンの江戸川由利子の3人を中心に、発生する不可思議な事件を人間の力で解決に導く、初代ゴジラのようなSFドラマです。
30分番組という制約の中、思わず異世界の中へ引きずり込まれてしまったような錯覚に陥る、斬新なストーリーが展開されます。併せて「昭和」というダイナミックな時代背景を作品の中で体験することができます。
ウルトラQは、次の全28話が制作されています。(初回放送は第27話まで。第28話は再放送で放送されました。)
放送順 | タイトル | 登場怪獣等 |
第1話 | ゴメスを倒せ! | 古代怪獣ゴメス、原始怪鳥リトラ |
第2話 | 五郎とゴロー | 巨大猿ゴロー、イーリアン島の巨猿 |
第3話 | 宇宙からの贈り物 | 火星怪獣ナメゴン |
第4話 | マンモスフラワー | 巨大植物ジュラン |
第5話 | ぺギラが来た! | 冷凍怪獣ぺギラ |
第6話 | 育てよ!カメ | 大ガメ ガメロン、怪竜、乙姫 |
第7話 | SOS富士山 | 岩石怪獣ゴルゴス |
第8話 | 甘い蜜の恐怖 | もぐら怪獣モングラ― |
第9話 | クモ男爵 | 大ぐもタランチュラ |
第10話 | 地底超特急西へ | 人工生命M1号 |
第11話 | バルンガ | 風船怪獣バルンガ |
第12話 | 鳥を見た | 古代怪鳥ラルゲユウス |
第13話 | ガラダマ | 隕石怪獣ガラモン |
第14話 | 東京氷河期 | 冷凍怪獣ぺギラ |
第15話 | カネゴンの繭 | コイン怪獣カネゴン |
第16話 | ガラモンの逆襲 | 隕石怪獣ガラモン、宇宙怪人セミ人間 |
第17話 | 1/8計画 | 1/8人間 |
第18話 | 虹の卵 | 地底怪獣パゴス |
第19話 | 2020年の挑戦 | 誘拐怪人ケムール人 |
第20話 | 海底原人ラゴン | 海底原人ラゴン |
第21話 | 宇宙指令M774 | 宇宙エイ ボスタング、ルパーツ星人ゼミ、キール星人 |
第22話 | 変身 | 巨人、巨蝶モルフォ蝶 |
第23話 | 南海の怒り | 大だこスダール |
第24話 | ゴーガの像 | 貝獣ゴーガ |
第25話 | 悪魔ッ子 | 悪魔ッ子リリー |
第26話 | 燃えろ栄光 | 深海怪獣ピーター |
第27話 | 206便消滅す | 四次元怪獣トドラ |
第28話 | あけてくれ! | 異次元列車 |
1990年代にウルトラQのレーザーディスクが発売されましたが、高価だったので手に入れることができず、2001年に発売された「デジタルウルトラシリーズ」のDVDを購入しました。
7枚組のDVDセットで、初回未放送だった第28話「あけてくれ!」も収録されています。
カラー化された「総天然色ウルトラQ」もWOWOWで視聴しましたが、個人的にはオリジナルの白黒バージョンの方が、混沌とした不気味な雰囲気を醸し出していて好きです。